『午後は女王陛下の紅茶を』出口 保夫

アイシス
ミントティーなら…

ジェリー
嗅ぐだけで酔えます

 


 一時、図書館の臨時職員をしていたことがある。そこでの一番の楽しみは新刊本が届いた時、「新刊コーナー」出す前にそれらを読ませてもらえることだった。
 ブッカーもツルピカの真新しい『午後は女王陛下の紅茶を』が図書館に届いた日、最初に借りたのは私だ。その本ではイギリス人の日常での紅茶の楽しみ方が読みやすい文章で綴られていた。
 初めて聞くことばかりだった。
午前のお茶の時間をイレブンジズと言うこと、イギリスで紅茶と言えばミルク・ティなこと、紅茶に必要な道具…ストレーナーやティ・コージー、フォートナム・メイソンやウェッジウッドという名称、ハイランドのハイ・ティ・・・・この本で初めて知った言葉は多い。
 すぐ茶葉で丁寧に紅茶をいれてみよう。
そう思いたくなる本だった。いや、実際やってみたのだ。ポットとアール・グレーの茶葉を買い、初めてポットの中で茶葉を開かせ、きちんといれてみた。もちろん、ティーパックをカップの中でちゃぽちゃぽやっていれた紅茶とは全く別物だった。
 自分でも購入するに至ったこの本は昭和の終りに出版されたものだが、ずっと手元に置いていた本の中の一冊である。